日本の風俗嬢/中村淳彦
初めてのブログでこのセンセーショナルなタイトルの記事。
このブログ大丈夫なのかと引き返したくなるかもしれませんが、大丈夫です、書いてる人は普通です。
先述の通り、本屋でこの一冊を見かけたときは「なんだこれ」と一瞬で目を引かれました。
というのも実は……ここで私が風俗嬢でした、というオチがつけばいいのですが、残念ながら違います。
以前より下半身経済(この言い回しは「世界の下半身経済が儲かる理由 」この本から)に興味がありました。
そもそも儲かるのか、どんな人が、どんなお店が、等々気になることは山ほどありました。
冒頭は風俗嬢が働く場所についてや、取り巻く環境(法律など)についても書かれています。
筆者の簡潔なお店紹介は個人的には勉強になりました。(SMクラブの客層は女王様目当ての人はこうで、M女目当ての人はこうで~等)
昔、それこそ女がお金を稼ごうと思ったら身体を売るしかないと思われていた時代。
その頃の風俗嬢と言えば、身分的にも底辺で、誇れる仕事ではありませんでした。
しかし今は稼げる云々よりも、風俗嬢をやりたがる女の子たちが増えているのです。
一時期流行った「憧れとしての風俗嬢」とはまた違います。
上京してきた大学生が稼ぐのに手っ取り早い、というような具体的なエピソードも出てきますが、
職業として風俗嬢をやっている方もいらっしゃいます。
それは本職だったり、稼ぎの少ない本職を補う副職だったり。趣味という人もいました。
筆者は本中で、風俗嬢は福祉系の職種と似た点がある、と話していました。
ただ圧倒的な違いは社会からの保障の差。社会からの「目」の差。
要は仕事として風俗嬢は認められていないわけなので、収入・雇用形式など福祉と比べてみても、大きな違いがあります。
最後はNPO法人の方の活動など、上記の問題に対して向かい合う人たちの姿も描かれています。
デリバリーシンデレラ という現役女子大生が生活費を賄うために風俗嬢になる漫画を読んだことがあり、
そこから「風俗嬢の稼ぎ方」というのが気になるようになりました。
(ちなみにデリバリーシンデレラはその名の通りデリヘルのお話です)
この「日本の風俗嬢」と「デリバリーシンデレラ」は近いテーマを取り扱っているように思いました。
ティッシュが傍らになくても読める、勉強になる新書でした。
「日本の風俗嬢/中村淳彦」
(いつも下半身経済の本を読んでいるわけではありませんw)