ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件/西尾維新
この作品は「DEATH NOTE」の派生小説です。
漫画の本編よりも前の話です。
実写映画化やドラマ化が盛んなジャンルですが、この「ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件」に関して言えば、映像化はされていません。
完全に小説オリジナルの物語です。
「DEATH NOTE」を知らずに読んでも面白いと思います。
いわゆる推理物として読めるからです。
ただし物語の語り部は、読者であるアナタが「DEATH NOTE」の物語を全て知った上で話を進めていきます。
それに則り、私も今この記事を読んでくださっているアナタが多少なりとも「DEATH NOTE」を知っている人として書いていきます。
物語の舞台はロサンゼルス。
本編と同じく出てくる登場人物は、Lと南空ナオミ。そして犯人。
さきほど「推理物として読める」と書きましたが、一点だけお詫びを添えておくとすれば、この物語の登場人物紹介の時点で犯人はすでに判明しています。
Lーーーーーーーー名探偵
南空ナオミーーーーFBI捜査官
(名前は伏せます)ーー犯人
私はこの本自体を読むのが二度目だったので、元より犯人はわかっていましたが、最初から書いてることは今回初めて知りました。(見落としていただけですが…)
よくドラマなどでも犯人の犯行シーンから始まって、探偵が推理をしていくという展開を見ますが、形としてはそれと同じだと思いました。
つまりこの物語は「犯人を見つける話」ではなく、「犯人にとって、Lにとっての『勝利』とは何か」を考える構成になっています。
読者はおそらく南空ナオミと同じポジションで物語を進めていくことになります。
少しだけ読者の方が先手をいくとすれば、それは本編を知っているか知らないかの差だけです。
この時点でキラは存在しませんし、もちろんノートも出てきません。
ただし「DEATH NOTE」ならではの出来事は起きます。
そういった意味でも多少なりとも「DEATH NOTE」を知っていると良いという判断をしました。
もしも全部を読むのが叶わなかったとしても、コミックス版で7巻くらいまでは読んでおくと物語に入りやすいと思います。
作者の西尾維新さんは物語シリーズなど、他でもよく名前を聞く人です。
申し訳ないことに私は読んだことがないので他の作品は知らないのですが、きっとこれが・この言い回しや表現が、西尾節なんだろうなと思いながら読んでいました。
テンポも良いので、推理で頭を止めることがなければすぐにでも読み進められます。
あまり色々書いてしまうとうっかり作中の事件のことに触れそうになるので、この辺りで締めておきます。