金持ち父さん貧乏父さん/ロバート・キヨサキ
本日紹介するのは……「金持ち父さん貧乏父さん 」
社会を学ぶならこの本から入るといい。
きっと目の前に悩める学生・社会人がいたら私はそうアドバイスをするでしょう。
私はこの本を「お金持ちになるための指南書」にしようと思いました。
作者には二人の教えを与えてくれる父がいました。
一人はこう言った。
「勉強をしていい学校を出ていい会社に勤めなさい」と。
もう一人はこう言った。
「お金を自分のために働かせなさい」と。
・・・さて、この二人の教えにあなたならどう応えるでしょうか?
日常的に、もしくは聞きなじみのあるのは前者でしょう。
もし前者の言葉が金持ち父さんからのものであったとすれば、世の中は金持ちで溢れているのかもしれません。
金持ち父さんが言ったのは後者のセリフ。
中々「お金を自分のために働かせる」という感覚は自分の発想からは生まれてきませんでした。
しかし聞いたことがないわけではなかった。
「夢の印税生活」「マンションの家賃で収入を得る」
金持ち父さんの言葉はそれらのことを総括しているように私は捉えています。
ここで少し私の過去のことを合わせて書かせてください。
大学の頃、一番学んで良かった・そして面白いと思ったのが「簿記」でした。
貸借対照表と損益計算書の仕組みをつくった人は本当に天才だと思いました。(同じこと思った人は私と握手!)
本書にもお金の流れを表す場面で、簿記でも使われる資産・負債・収益・損失というワードが出てきます。
(実際には収益は収入、損失は支出と書かれているが意味は同じと思っていいでしょう)
それらについて言葉の意味がわかっていれば問題なく読めるのですが、簿記を学んでいるとより一層面白みが増すと私は思いました。
それを顕著に感じたのが、給料を受け取ってからの流れです。
例を出してみます。
給料について、二つの観点から見てみます。
現金(資産の増加)/給料(収益の増加) という仕分けがあったとします。
↓
負債の返済(負債の減少)/現金(資産の減少)
一般的にはこのように給料で得た現金を、まずは負債(ローンやカード、また税金などもそこに含まれる)の支払いに回すことが多い。
それ以外に必要なものは、それを終えた後で使う…という流れです。
次はこうしてみます。
現金(資産の増加)/給料(収益の増加) 最初の仕分けは同じ。
↓
投資(資産の増加)/現金(資産の減少)
投資の項目はそれぞれだと思いますが、それが「金のなる木」なのだと感じました。
もちろん全てがうまく行くわけではないとも書かれていたので、一回やって一攫千金…というのはこの本から金持ちの方法を学ぶよりも現実味のない話なのかもしれない……。
つまりここで言いたいことは、次に金を生みだすものにお金をかけよということなのです。
他にも「資産とは」で書かれていたことも興味深かったです。
引き続き簿記の話で申し訳ないですが、例えば簿記上では家(建物)というのは資産に分類されます。
もちろん使うごとに価値が下がっていくので減価償却をしていく対象でもありますが、多くの人が家は資産と考えていますよね。
しかし金持ち父さんの教えは違いました。
それは「負債だ」と言ったのです。
家にかかるお金を考えてみましょう。
ローン、保険、固定資産税……。
家本体の価格や土地代を最初に払っているにも関わらず、継続的に先述のような支出を生みだすもの、それが家であり、すなわち負債なのです。
「子孫に残すのであれば負債より資産がいい」
この言葉が胸にくる新たな発見でした。
この本には端的に、「これをするだけで金持ちになれる」という方法が書かれているわけではありません。
我々はこの本から学ばなければいけない、そう強く感じました。
……そう感じたからこそこうやってブログを始めた、という経緯があったりするのだが、それはまたの機会に(笑)
とにかく読んで欲しい!!
その一言に尽きます。
簿記を学んでいなくてもいい。難しいことはわからなくてもいい。
いますぐ行動しよう!
本書の最後の見出しです。
拙い文章でどこまで伝わったかわからないですが、是非この学びを共有したいと思いました。
(だからこそシリーズ累計350万部も読まれるベストセラーなのでしょうね)
ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件/西尾維新
この作品は「DEATH NOTE」の派生小説です。
漫画の本編よりも前の話です。
実写映画化やドラマ化が盛んなジャンルですが、この「ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件」に関して言えば、映像化はされていません。
完全に小説オリジナルの物語です。
「DEATH NOTE」を知らずに読んでも面白いと思います。
いわゆる推理物として読めるからです。
ただし物語の語り部は、読者であるアナタが「DEATH NOTE」の物語を全て知った上で話を進めていきます。
それに則り、私も今この記事を読んでくださっているアナタが多少なりとも「DEATH NOTE」を知っている人として書いていきます。
物語の舞台はロサンゼルス。
本編と同じく出てくる登場人物は、Lと南空ナオミ。そして犯人。
さきほど「推理物として読める」と書きましたが、一点だけお詫びを添えておくとすれば、この物語の登場人物紹介の時点で犯人はすでに判明しています。
Lーーーーーーーー名探偵
南空ナオミーーーーFBI捜査官
(名前は伏せます)ーー犯人
私はこの本自体を読むのが二度目だったので、元より犯人はわかっていましたが、最初から書いてることは今回初めて知りました。(見落としていただけですが…)
よくドラマなどでも犯人の犯行シーンから始まって、探偵が推理をしていくという展開を見ますが、形としてはそれと同じだと思いました。
つまりこの物語は「犯人を見つける話」ではなく、「犯人にとって、Lにとっての『勝利』とは何か」を考える構成になっています。
読者はおそらく南空ナオミと同じポジションで物語を進めていくことになります。
少しだけ読者の方が先手をいくとすれば、それは本編を知っているか知らないかの差だけです。
この時点でキラは存在しませんし、もちろんノートも出てきません。
ただし「DEATH NOTE」ならではの出来事は起きます。
そういった意味でも多少なりとも「DEATH NOTE」を知っていると良いという判断をしました。
もしも全部を読むのが叶わなかったとしても、コミックス版で7巻くらいまでは読んでおくと物語に入りやすいと思います。
作者の西尾維新さんは物語シリーズなど、他でもよく名前を聞く人です。
申し訳ないことに私は読んだことがないので他の作品は知らないのですが、きっとこれが・この言い回しや表現が、西尾節なんだろうなと思いながら読んでいました。
テンポも良いので、推理で頭を止めることがなければすぐにでも読み進められます。
あまり色々書いてしまうとうっかり作中の事件のことに触れそうになるので、この辺りで締めておきます。
日本の風俗嬢/中村淳彦
初めてのブログでこのセンセーショナルなタイトルの記事。
このブログ大丈夫なのかと引き返したくなるかもしれませんが、大丈夫です、書いてる人は普通です。
先述の通り、本屋でこの一冊を見かけたときは「なんだこれ」と一瞬で目を引かれました。
というのも実は……ここで私が風俗嬢でした、というオチがつけばいいのですが、残念ながら違います。
以前より下半身経済(この言い回しは「世界の下半身経済が儲かる理由 」この本から)に興味がありました。
そもそも儲かるのか、どんな人が、どんなお店が、等々気になることは山ほどありました。
冒頭は風俗嬢が働く場所についてや、取り巻く環境(法律など)についても書かれています。
筆者の簡潔なお店紹介は個人的には勉強になりました。(SMクラブの客層は女王様目当ての人はこうで、M女目当ての人はこうで~等)
昔、それこそ女がお金を稼ごうと思ったら身体を売るしかないと思われていた時代。
その頃の風俗嬢と言えば、身分的にも底辺で、誇れる仕事ではありませんでした。
しかし今は稼げる云々よりも、風俗嬢をやりたがる女の子たちが増えているのです。
一時期流行った「憧れとしての風俗嬢」とはまた違います。
上京してきた大学生が稼ぐのに手っ取り早い、というような具体的なエピソードも出てきますが、
職業として風俗嬢をやっている方もいらっしゃいます。
それは本職だったり、稼ぎの少ない本職を補う副職だったり。趣味という人もいました。
筆者は本中で、風俗嬢は福祉系の職種と似た点がある、と話していました。
ただ圧倒的な違いは社会からの保障の差。社会からの「目」の差。
要は仕事として風俗嬢は認められていないわけなので、収入・雇用形式など福祉と比べてみても、大きな違いがあります。
最後はNPO法人の方の活動など、上記の問題に対して向かい合う人たちの姿も描かれています。
デリバリーシンデレラ という現役女子大生が生活費を賄うために風俗嬢になる漫画を読んだことがあり、
そこから「風俗嬢の稼ぎ方」というのが気になるようになりました。
(ちなみにデリバリーシンデレラはその名の通りデリヘルのお話です)
この「日本の風俗嬢」と「デリバリーシンデレラ」は近いテーマを取り扱っているように思いました。
ティッシュが傍らになくても読める、勉強になる新書でした。
「日本の風俗嬢/中村淳彦」
(いつも下半身経済の本を読んでいるわけではありませんw)